サマー・バレンタイン #1
うちの冷凍庫の中には、過去3年分の私の一方的な想いが詰まった、行き場のないバレンタインチョコレートが後生大事に保存してある。
「いいかげん、邪魔だから早く片付けて」
毎日のようにママから口うるさく言われるけど、毎年増え続けるこの想いの結晶を、私は、渡すことも食べることも捨てることもできないでいる。
彼はきっと、このチョコレートの存在すら知らないだろう。
可哀相なチョコレートたちは、毎日冷たい箱の中で、いつか誰かに食べてもらえることをひっそりと夢に見続けている。
だけど私は、このチョコレートたちが、誰かに食べてもらえる日なんて、永遠に来ないような気がしていた――…。
今日は高校に入って初めての終業式。
これから始まる長い休暇への開放感と期待感からか、教室全体がざわざわとうるさく、皆浮き足立っていた。
私も例に漏れず仲のいい子たちと集まって、海や花火に行く計画を立てて盛り上がっていた。
だけどその一方で、私は、中学時代からずっと片想いしている山本くんたちのグループが、他のどのグループよりも大きな声で騒いでいるのがすごく気になっていた。
長い長い夏休みの間、山本くんに会えないことがすごく寂しい。
せっかく高校でも同じクラスになれたのに、私と彼の関係は中学時代から何も変わってない。
ただのクラスメイト。
いつも遠くから見ているだけの私。
同じ教室の中にいるのに、私と彼がいる場所は、途方もなく遠く離れているように感じる。
自然と小さなため息が漏れた。
さりげなさを装って、ちらりと彼らのグループを見ると、いつも一緒にいる田代くんや三島くんに冷やかされて、耳まで真っ赤にして怒る山本くんが輪の中心にいた。
いつもはクールな山本くんのあんなに動揺している姿を見るのは初めてで、驚いた。
私は思わず他のノイズに混じって途切れ途切れに聞こえてくる、彼らの会話に耳をすませた。
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コメント
大田分さん
お久しぶりです^^コメントありがとうございます。
ぼちぼち復活しました。
またお付き合いいただけると嬉しいです。
はい、きっとありますよ。素敵な出会いが……
投稿: ユカ | 2009.01.19 15:41
ご無沙汰してます。
復活されたんですね。
これから彼女には新しい出会いが待っているのでしょうか?
投稿: 大田分 | 2009.01.10 17:21